走り終わった参加者は、「楽しかった」と表現するかのように、
大きく手を振ってコースを去っていった。
水谷がタンデムした身障者の方は、記憶がなくなっていくという障害を抱えた方だった。彼は、健常者の時はオートバイに乗っていたそうだ。
彼の母は、もう一度、息子にバイクで風を感じさせて欲しいと、長年思っていたそうだ。
そんな彼が、今回参加して母がびっくりしたのは、 いつもより、きちんと歩き、目を輝かせていたということだった。そして、水谷とタンデムランしている間に、大声でホンダレーシングと叫んだ。
水谷は、えっ?と思ったが、前方を見るとホンダレーシングと書かれた大きな看板を見て、声を上げたみたいだ。そして更に、「オレはカワサキが好きだ!」とも。
その事を、彼の母に伝えたところ、今回の体験は、どんなリハビリよりも効果があったと、嬉しそうにお話いただいたそうだ。
参加したライダーも、障害者の方も、お互いに感動し、「また来年も是非参加したい! 」と多くの方が語ってくれた。
水谷自身も、万が一の事故が起こってはならないこのパレード走行が終了し、安堵の様子。
参加されたライダー、身障者の方々、ボランティアの方々、御協力頂いた、NMCA様、スズカサーキットランド様、シートベルトを御用意頂いたタカタ株式会社様をはじめ、御協力頂きました方々には、大変ありがたく、嬉しく思っております。
願わくば、この活動がもっと認知され、さらなる発展ができるよう、今後とも御協力頂ければ幸いです。
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