2008年5月24〜25日、九州オートポリスにおいて開催される全日本ロードレース選手権オートポリス大会において、往年の名ライダーが集いレース形式のエキシビジョン走行を行うマスターズランが今年も開催された。
全日本のプログラムとしてのマスターズランの開催は本年で2回目となる。
九州のBMWディラーであるフリーマンさんの企画で、BMWジャパンがバックアップして頂くこの企画は最年少の平選手から再年長はなんと68歳という平均年齢が実に62歳という日本のレジェンド・ライダーが集った、昔からのロードレースファンにとってはたまらない企画である。
参加ライダーは 片山義美選手、本橋明泰選手、金谷秀夫選手、河崎裕之選手、毛利良一選手、平忠彦選手、清原明彦選手、和田将宏選手、根本健選手、徳野政樹選手、千石清一選手、杉尾良文選手、MCには80年代のロードレースを実況で盛り上げてくれた、みし奈昌俊氏と豪華な顔ぶれが集った。そして昨年の大怪我から1年弱。水谷の復帰第一戦とも言うべき舞台に相応しい豪華なイベントである。
千石選手を中心にブリーフィングを行い、和田選手から「水谷は危ないから走らせない!」と声が飛ぶと、水谷は必死に「走らせてくださ〜〜い!」と何度も叫んで皆の笑いをとった。
レジェンドのメンバーはSHOEI、Arai、BMW各社から提供して頂いたヘルメットにサインを行い夜の会食の席で、フリーマンさんのお客様を交えて交通遺児のためのオークションを行うためにサインしていった。
24日土曜日は、雨が降ったり止んだりの悪条件ではあったが、マスターズランの練習走行が行われた時は、コースイン前に一瞬大雨になったが走行中はウェットコンディションながらもほぼ雨は止んだ。
水谷は、バイクに跨がった瞬間、今迄の苦労が思い出されたのか涙が溢れて止まらなかった。その後、平静を取り戻し、同じく脳硬塞で倒れた平選手とお互いの復帰に祝福を交わすように嬉しそうに話していた。
いよいよコースイン。各ライダーをMCみし奈氏が紹介していく。水谷も観客の声援に応えるように手を上げてアピールする。
サインティングラップ1周のスタートとなるが、金谷選手がサインティングラップを終えてもそのまま減速せず1コーナーへ消えていった。その後、金谷選手も戻ってきてスタート!平均年齢62歳を感じさせない走りでウェットコンディションンのコースを駆け抜けていく。
水谷も徐々にスピードアップをして、走りを確かめている。最終的にはストレートで200km/h以上の速度で走り切った。
完全復活とまではいかないが、走れた事に満足のいく結果を得られて満足できたようだ。
実はサインティングラップで大暴れした金谷選手だが、本番でもわかせてくれた。
なんと新品タイヤでの走行だったために、スリップダウンしてしまったのだ。
会食の席で、金谷選手がレジェンドライダたちの標的になったのは言うまでもない。
(後半へ続く)
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